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★参考文献
 
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 ヴィクトリア・ゲートのすぐ近くにあるパーム・ハウス(椰子の家)は,熱帯雨林の環境を整えたヴィクトリア朝様式の温室で,完成は1848年。キューガーデンズで最も古い温室でもある。
 ハイド・パークの設計で知られるデシマス・バートンが設計をしており,内部の熱を逃がさないようにするためカーブを描いたガラスの壁が特徴。外から見ると,船を逆さにしたような形をしている。
パーム,即ちヤシに代表される熱帯植物が植えられているため,パームハウスに一歩足を踏み込むと,そこは,湿度の高い熱帯雨林さながら。カメラのレンズはあっというまに曇ってしまい,しばらくは写真を撮ることもままならぬ状態だった。
 この温室の目玉は,世界最古の鉢植え植物 Encephalartos altensteinii だろう。これは,入り口からそう遠くない場所で見ることができる。
 キューガーデンズの最初の植物採集者フランシス・メイソン氏が南アフリカのケープ東海岸で1773年に採取し,長い航海を経て1775年にキューガーデンズへ届いた植物だそうで,フランス革命の日も,蒸気機関車が発明された日も,アームストロング船長が月面を歩いた日も元気に生い茂っていた。そして,1848年にパームハウスが完成したときは,最初に運び込まれたのだという感動的な説明が,横の看板に書かれている。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。
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 Inside of Palm House (1) Panasonic LUMIX DMC-FX33 
Nikon D200  | ||
 
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パームハウスの地下には小さな水族館も作られていて,ひととき,熱帯の魚たちを楽しめるようになっている。
何しろ「椰子の家」なので,パームハウスには背が高い植物が多く,温室内には何カ所か階段が設けられ,上部の縁に作られた廊下を歩きながら,植物を見下ろせる構造になっている。
※写真をクリックすると解像度の高い写真の全体像が見られます。一部のサムネイルは切り取ってあります。
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 Inside of Palm House (2) Panasonic LUMIX DMC-FX33 
Nikon D200 Fujifilm FinePix S2 Pro  | ||
 
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上から眺めてでさえも,何がどうなっているのか?と訝しむほど巨大な葉が目の前を覆い尽くしていたり,とにかくここの植物たちはスケールが大きい。下を歩く人と木を比較してみると,スケールの大きさがよくわかる。
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 Inside of Palm House (3) Panasonic LUMIX DMC-FX33 
Nikon D200 Fujifilm FinePix S2 Pro  | ||
 
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 星の形をしたスターフルーツや,髪を染めたりするのに使われるヘナなど,名前を知っている珍しい植物を色々見ることができて面白かったのだが,更に感動したのは手入れの行き届いた美しさだった。
 これだけ大きな温室をここまで美しく保っているとは,並々ならぬ手のかかりようであろう。この温室一つ見学しただけで,最初は高いと思ったキューガーデンズの入場料金が,十分に納得のいく,むしろ安いと思って良いくらいの設定であることを認識した私たちだった。
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 Inside of Palm House (4) Nikon D200 
Fujifilm FinePix S2 Pro  | ||
 
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最後に,南アメリカの熱帯雨林からやってきた,パームハウスで最も大きなヤシの木 Attalea を見学し,温室を出た。
外部リンク
 ・Home | Transport for London (ロンドンの交通)
 ・Royal Botanic Gardens, Kew: Home Page (キュー・ガーデンズ)