2008年3月の星空| 
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2月に衝を迎えた土星が,引き続き観望好期です。春になると気流が安定して惑星が見やすい日が多くなってきますので,冬型気圧配置が緩んだ穏やかな日を選んで惑星に望遠鏡を向けてみましょう。
 3日に水星が西方最大離角を迎えます。西方最大離角とは水星や金星が地平線から一番西へ離れて見える現象で,この時惑星は明け方の東の空に見ることができます。
 けれど,太陽のすぐ近くを回っている水星は,日の出直前に地平線から上り,あまり高く上らないうちに空が明るくなってしまいます。3日の西方最大離角も午前5時半の東京での高度は約6度。かなり地平線近くまで開けた場所で捜す必要があります。方角は東南東,幸いなことに,すぐ近くに金星が-3.9等の明るさで輝いていますので,目印にしてください。水星は地動説を唱えたコペルニクスでさえも生涯見る機会がなかったと言われる天体ですから,見つけられた時の感動はひとしおだと思います。
17日の夜には,かに座のプレセペ星団(M44)が月齢9.9の月に隠される星食が起こります。月が大きくプレセペ星団の星は淡いので,双眼鏡を使って観察するとよいでしょう。
午後8時(20時)に南中を迎える,観察しやすい星座たちです。
 【上旬】 いっかくじゅう座 ・ ふたご座 
 【中旬】 こいぬ座 ・ とびうお座(☆) ・ とも座 ・ やまねこ座
 【下旬】 かに座  ・ りゅうこつ座
☆印の星座は南天の星座のため,日本からは見えません。
 【惑星状星雲】 M1 (かに星雲,おうし座), M97 (おおぐま座)
 【散光星雲】 M42 (オリオン大星雲,オリオン座)
 【散開星団】 M35 (ふたご座), M36・M37・M38 (ぎょしゃ座), M44 (プレセペ,かに座)
 【銀河(系外星雲)】 M81・M82・M101 (おおぐま座), M106 (りょうけん座)
| 日 | 曜 | 月 | 天文現象 | 
|---|---|---|---|
| 3 | 月 | 水星が西方最大離角:20時(+0.1等,離角27度09分) | |
| 5 | 水 | 啓蟄:13時59分。太陽の黄経が 345度になる。 | |
| 7 | 金 | アルゴル極小:22時38分 | |
| 8 | 土 | ![]()  | 新月:2時14分 | 
| 9 | 日 | 天王星が合:13時 | |
| 10 | 月 | アルゴル極小:19時27分 | |
| 11 | 火 | 月が最近:7時(視直径32分38秒) | |
| 14 | 金 | ![]()  | 上弦:19時46分 | 
| 17 | 月 | 春の彼岸の入り プレセペ星団(M44)の食  | |
| 20 | 木 | 春分:14時48分。太陽の黄経が 0度になる。 | |
| 21 | 金 | 冥王星が西矩:21時 | |
| 22 | 土 | ![]()  | 満月:3時40分 | 
| 23 | 日 | 水星が金星の南1度03分を通過:19時 | |
| 27 | 木 | 月が最遠:5時(視直径29分30秒) | |
| 30 | 日 | ![]()  | 下弦:6時47分 アルゴル極小:21時12分  |